【海洋波・応答特論】

講義概要

 船舶や海洋構造物などの浮体が稼働する海域の波浪,即ち海洋波は波高,波周期,
 波向が不規則で,規則波とは全く様相が異なっている。
 このような不規則現象は確率過程として取扱い,スペクトラム分布を求めることによって
 その統計的性質を明らかにできる。又,海洋波のスペクトラム分布がわかれば,
 浮体の規則波中の応答から線型重ね合せにより応答のスペクトラムを求め,
 応答の種々の統計量を求めることができる。本講義ではこれらの基礎について講述すると共に
 海洋構造物の設計条件設定の考え方などを解説する。

授業計画

 1.不規則波の取扱い
   不規則変動の確率変数としての取扱い,確率過程のフーリエ解析,
   スペクトラムより推定される応答確率過程の性質
 2.海洋波の性質とその表現
   海洋波の種類と発生の原因,海洋波の表現,海洋波の計測および
   観測値,風浪のスペクトラムおよび標準スペクトラム
 3.海洋波中の船の応答
   応答特性の表現,決定論的な不規則波中の応答の表現,確率過程
   としての不規則波中の応答の表現
 4.船体応答の短期予測
   線型重ね合せ理論,船体応答のスペクトラム計算,船体応答の短期
   予測の具体例
 5. 船体応答の長期予測
   船体応答の長期予測法,船体応答の長期予測の具体例
 6. 海洋構造物の設計と海象
   海象・気象の設計条件に対する考え方,海象条件の推定法,海象・
   気象の設計条件設定の具体例
 7. 規則上の海象および設計外力
   設計波の概念とその設定,海象と設計外力に関する規則


Dept. of Naval Architecture, Fac. of Eng.
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